2026/05/16 12:43

「こういうのでいいんだよ」の完成形

カシオF-91Wという“国民インフラ”について語る

今や国民のインフラと言っても過言ではない——
いや、さすがにちょっと大袈裟かもしれないけど、それくらいの存在感はある。

カシオ F-91W

定価2,200円。
某ペンギンのディスカウント店では1,600円くらい。
某カメラ量販店Yの方が安かった気もする(しかもポイント還元つき)。

私はこれを3本所有。過去にさらに3本買って、カスタムして手放した。
つまり、人生で6本関わっている時計だ。


カシオの“顔”とも言えるデザイン

黒ベースにブルーのライン、グレーの文字。
(勝手に「カシオカラー」と呼んでいる)

この配色、ただのデザインじゃない。
長年の積み重ねで「視認性がいい」とされ、実際に多くのモデルで採用されてきた“機能美”だ。

カラーバリエーションがほとんど無かった時代、
カシオのデジタルは基本的にこの顔だった。

じゃあ今のカラバリ展開はどうなのか?

結論:アリ。むしろ正解。

この価格帯だからこそ、
・複数買い
・コレクション化
・カスタムベース
が成立する。

「安い=一択」じゃなく、「安い=遊べる」になったのは大きい。


ルーツは“初めての腕時計”の記憶

実はこのF-91W、ルーツを辿るとかなり古い。
初代モデルから代替わりしながら、長く続いてきた系譜の一本だ。

で、私の原体験に戻る。

1987年頃。中学生。

あの時代、「中学生になったら腕時計を買ってもらえる」という文化があった。
テスト時間、移動教室、自己管理。
腕時計は“子供から一歩進んだ証”だった。

クラスの男子25人中10人くらいは
カシオのF-14をしていた記憶がある。

つまり、すでに“みんなの時計”だった。


なのに、あえて選ばなかった理由

ただし当時の私は——

「みんなと同じ」が嫌いな中学生。

選んだのは ALBA


定価5,800円。デパートで購入。

カシオは980円で買える時代。
でも、あえてそっちには行かなかった。

この“ひねくれ”は、たぶん今も変わってない。


それでも結局、カシオに戻る

高校卒業後、一瞬 Swatch にハマる。
かなりハマる。でもそれは別の話として。

就職して量販店に勤め、時計コーナーが身近になると——
またカシオに戻る。

・G-SHOCK
・DATA BANK
・EDIFICE

いわゆる“チープじゃないカシオ”に惹かれていく。


そして令和、“チープ”に目覚める

で、今。

気づいたら戻ってきていた。

チープカシオに。

そして思うわけです。

「F-91W、こういうのでいいんだよ」


なぜこんなに良いのか

・レトロな表示
・最低限の機能
・ギリギリのバンド長
・頼りないバックライト
・変わらない価格

全部が“ちょうどいい”。

完璧じゃない。
むしろ、ちょっと足りない。

でもそれがいい。


「許された安さ」という偉業

本来、安い時計って“大人が着けるにはちょっと…”みたいな空気があった。

でもF-91Wは違う。

大人が着けても成立する。むしろカッコいい。

これはかなり大きな功績だと思う。

・ミニマリストにも刺さる
・ファッションとして成立する
・ツールとしても優秀

“初めての時計”でありながら、
“最後の一本”にもなり得る。


結論

F-91Wは、

安い時計ではなく、
完成された道具だ。

そしてたぶんこれからも、
何も変わらず売られ続ける。

それでいい。
いや、それがいい。